暗号化対策
教職員向けの暗号化対策
ファイルの暗号化について自分の経験を共有します.
パソコン全体の暗号化
原則
- 紛失やハッキングの対策として,必ずパソコン全体を暗号化しておく.最近のOSは,ログインのときに復号してくれるようになったので,一旦暗号化してしまえば以降面倒なことはない.
- はじめての方は,誤った操作によるデータの損失を防ぐために,最初はデータが消えてもよいパソコンで試すとよい.
- 消えたら困るようなデータは,常に別のパソコンや外部記憶媒体にバックアップする.機密データについては,さらに暗号化しておく.
OS別の情報
- Windows (BitLocker) -> Microsoftの解説
- Mac (FileVault) -> Appleの解説
- Linux (LUKS)
個別のファイルやフォルダの暗号化
特に機密性の高い情報は,パソコン全体の暗号化と別に,さらに暗号化しておく必要があります(OS起動後にウィルスによって盗まれることを防ぐために).自分は,TrueCrypt -> VeraCryptを使っていましたが,最近のLinux版VeraCryptはスピードが遅くて,情報環境機構推奨のCryptomatorを使うことにしました.スピードやマルチOS対応などの点において,Cryptomatorは,優れていると考えます.ただ,Microsoft BitLocker, Apple FileVault, Linux LUKSほどの信頼性がなく,あくまで自己責任で.
- Cryptomator: Home, ある日本語解説のサイト(参考程度にして下さい)
送信
機密性の高くない情報
適切に暗号化していれば,メールで送信してよいでしょう.ただし,下記のことに注意してください.
- Zipの暗号化を使わない(AESで暗号化することが分かれば別。).代わりにPDFまたはMicrosoft Officeの暗号化を使うこと.
- 暗号キーはメールで送らないこと(一つのメールでファイルを,もう一つのメールで暗号キーを送ることが時々見かけるが,暗号化における意味はほとんどない).事前に共有した共通鍵を使うか,電話や学内便,手紙,教職員ポータルなど,別の送信経路で送る.
- 暗号キーは,基本的にランダムな8文字-12文字を使うこと.推測しやすいものを使用しない.ランダムなパスワードの生成に困る方は,生成サイトを利用するとよい.
- 送信する前に必ず宛先のメールアドレスを確認すること!
機密性の高い情報
いまの全学メールは,基本的に全世界に公開されていると考えると良いでしょう(Gmailが導入されたときに情報担当理事や情報環境機構の説明.興味のある方は,趙の指摘をご覧ください).よって,機密性の高い情報は,暗号化していてもメールで送ってはなりません.代わりに,教職員ポータルは,サイボウズという日本の会社に委託しているので,それの「メッセージ」を使うとより安心と思われます.
- Zipの暗号化を使わない(AESで暗号化することが分かれば別。).代わりにPDFまたはMicrosoft Officeの暗号化を使うこと.
- 暗号キーは事前に共有した共通鍵を使うか,電話や学内便,手紙,メールなど,別の送信経路で送る.
- 暗号キーは,基本的にランダムな12文字を使うこと.推測しやすいものを使用しない.ランダムなパスワードの生成に困る方は,生成サイトを利用するとよい.
- 送信する前に必ず宛先を確認すること!
- 送信したことをメールで相手に知らせるとよい(記録を残すため。口頭や電話など、記録の残らない方式は不可)。
- 失効した情報は速やかに削除すること。